「東さん、書類のチェックお願いします」
「ああ、わかった。今日中にチェックして返すよ」
笑顔で受けとる彼と目が合う。
”髪型可愛い”
彼の唇がそう動く。
今日は初めて編み込みにしたこと、気づいてくれたんだ。
私の頬がだんだんと赤く染まっていくのがわかった。
圭介さんと付き合い初めてから、私は今まで以上にお洒落に気を遣うようになった。
今日は新しいヘアアレンジに挑戦してみようかな。
メイクをピンクベースに変えた方が、女性らしいかも。
今日の服、圭介さんは好みかな。
毎日気づいたら圭介さんのことばかり。
私の生活は圭介さん中心に回っていた。
彼は普段からちょっと前髪を揃えただけでも、口紅の色を変えただけでも気づいて褒めてくれる。
そこがモテる理由なのかな。
自分のデスクに戻る間にそんなことを考えていた。