「俺は勝手に信じて、それに縋っているのかもしれない。




 恵美ならどんな俺も、受け入れてくれるって、そう信じてるのかも。もちろんあづ達もそうしてくれるって信じてるよ。でも、……やっぱ虹蘭の奴らぜんいんがいる前だと、不安になって出来なくなる」



 恵美なら同情しない。


そんな不明瞭すぎる期待を、俺はあんたに抱き続けているかもしれない。





いや、抱いているんだ間違いなく。





「もう!そんなの、当たり前でしょ?」


 そういって恵美は背伸びをして、
俺の赤髪を優しく撫でた。



「……っ」


 それだけで、俺はまた泣きそうになった。



 ——そうだった。



こいつは、そういう奴だった。




そういう奴だから俺は、
こいつを――好きになったんだ。