こんなに想っているから、また振られるかもしれないと思うと・・。

だって、私結局はどうして自分が振られたのか・・いまだに知らない。

私のどこが、なにが悪かったのか・・わからない・・。

だけどきっと・・諒のことを不快にさせるなにかがあったんだろう・・。


そう思うとやっぱり・・諒に気持ちを伝えることはできない・・。

拒絶されることを怖いと知ってしまった私は、気持ちを伝える覚悟すらない。


雨は次第に強くなっていって私の気持ちまでも暗くさせる。

雨が流してくれればいい・・。

そして明日の朝にはすっかり晴れて・・私の気持ちもすっかり晴れていればいい。


「沙都」

お兄ちゃんが刺すような口調で私を呼ぶ。

「・・諒のこと・・恨んでんのか?」

私はお兄ちゃんの質問に動揺した。

自分自身でもわからない・・。

恨んでいないといえば嘘になるかもしれない・・。

だけど、恨んでいるのかといえば・・それも違う・・のかな・・?

「・・わかんないのよ・・。実際、恨んでたことだってあった・・。私は諒に意味が分からず振られてから恋愛に対して悲観的で・・そんな風になってしまった、させられてしまった・・」

「・・・」

「・・だけど・・それって諒のせいじゃない・・のよね・・きっと・・。私が自分で乗り越えられなかった・・ってだけなのかも・・」


結局のところ私って・・どう思ってるんだろう・・。


「でも、それって・・所詮キレイ事なのかもしれない・・。・・だって・・私の気持ちはそんな簡単なものじゃない・・」

そう・・そんなに簡単に割り切れるのならこんなに悩んだりしない・・。