今日、諒に抱きしめられたことをまた思い出す。

悲しいくらい正直な身体。

欲求する身体。

私は今・・それを求めてるの・・?


「・・・・」


私はゆっくりと美術準備室へ向かって歩いていった。

うっすら油絵の匂いが鼻につく。

落ち着く感じ。

自分でもなんだか冷静だと思う。


裕紀とエッチしてて、ずっと諒のこと考えてて・・。

どうしていいのかわからなくて・・それでも今、会いたいと思ってる。


そして、準備室の扉を開く。

その部屋はうっすら明るい。


画材に資料で狭い場所・・。その奥に机がある。

そしてそこには諒の後ろ姿。


愛しい・・人・・。

私の昔愛した人・・。

大好きだった人・・。


そして彼は何かを悟ったのか急に後ろを振り向いた。