頭では諒を受け入れちゃいけないって思って酷いことだって言った。

本当はずっとあのまま諒の腕に抱かれていたかったの・・。


まだドキドキしてる。

まるで昔の気持ちを思い出したみたい・・。


諒にさえ再会しなかったら・・。

あんな風に抱きしめられなかったらこんな思いしなくてもよかった・・。


・・私・・貴方のこと忘れるためにいろいろ努力したのよ・・?

眠ることだって、食事することだって・・そんなことすらままならなかったのよ・・?

それが今では普通に・・ごく平凡に過ごせてる・・。

みんなと同じように友達だって、彼氏だっている。


・・・幸せなの。


諒との楽しい思い出だってある。

まだ18年しか生きてないけど・・それでも今まで生きてきた中で一番最高の時間だったって言える。

でもそれと同時に今まで生きてきて一番苦しい時間だって経験してるのよ・・。

諒といる時が一番幸せな時なら、諒と別れる時が一番辛いときに決まってる。


・・あんな思い・・もうしたくないのよ・・。


私は知ってしまってるから・・。

諒といた時間の幸せと別れた時の苦しみを・・。

最高を知ったら最低だって必ずついてくる・・。

だから、普通でいいの・・。


なのにどうして・・?

どうして今更、私の気持ちを掻き乱そうとするの・・?

どうして放っといてくれないの・・?

どうしてそっとしておいてくれないの・・?