ま、まぁ、細かいことはさておき・・・

諒に好きなことをやれと言われた生徒はみんな何をしていいのか途方に暮れていた。

その中で私はかねてより美術の時間にやりたかったことを思い出した。

別にそれほどたいしたことじゃないけれど・・この美術室の窓から見える風景ってのを描いてみたかった。

授業中、ボケーっとしてるときに落書き程度では描いたことあるけど、本格的に色とかを付けたことは一度もない。


私は早速浮かれ気分で別室にある倉庫からキャンバスを出し、また席に戻った。

とりあえずボーっと窓から外の風景を見る。

遠くにはボヤっと青く山が見える。

近くには学校近辺のマンションや公園、公共施設・・。

それよりもちょっと後ろ側を見ると高層ビルの山が建ち並ぶ。

こんな何でもない雰囲気に惹かれつつスケッチをしていく。


「・・・・・」

教室中を見ると前の席に座っていた女子たちが諒についての評価をしはじめた。

なんとなく耳をダンボ状態にして彼女らの話をそっと聞いてみる。


どうやら彼の評判は相当いいらしい・・。

声もルックスもすべて彼女たち好みみたいだ。

その上干渉しない授業というのにまた評価が上がっていった。


あんたらに諒の何がわかるっていうのよ・・って思わず力説してみたくなる。

まぁ・・諒の評価なんてどうでもいいけど・・。


・・でも・・なんか気になるのよね・・(汗)