場所は私が告白したあの堤防だった。

何の前触れもなく諒の口から別れのセリフを聞いた。


なんて・・言ってたっけ・・。

そんなことさえも思い出せない。

それからすぐ諒の姿は消えた。


どうやって家に帰ったのかわからないけど、私は気付いたらちゃんと家に戻ってた。

自分の部屋にちゃんといた。


「・・・」

なんで・・わかんないよ・・。

どこがどう悪かったの・・?

どうして諒は私からはなれていったの?


諒・・・諒・・諒・・・。



「・・沙都・・?」

私の部屋のドアにお兄ちゃんが立っていた。

お兄ちゃんの顔から察するに私たちのことをもう知ってるみたいだった。

「お・・兄ちゃん・・」

お兄ちゃんの顔があんまり優しく見えて・・

気が緩んで涙が出てきた。


「お兄ちゃんっ、どうして!?どうしてなの・・」

私はお兄ちゃんのもとへ駆け足で寄っていき泣きじゃくった。

そしてそんな私をそっと抱きしめてくれる。

何も言わず無言のまま、ただじっとそうしていた。