夜になってリョウは帰っていった。

私は帰るのを確認して、お兄ちゃんの部屋へ走りドアを開けた。


「お兄ちゃん!!」

ーーーバタン!

思いっきりお兄ちゃんの部屋のドアを閉める。


「な・・なんだよ・・」

私はお兄ちゃんの脱ごうとしていたTシャツの胸ぐらをつかんで迫りベッドに押し倒した。

「・・オイ・・」

「お兄ちゃんっ!あの人ダレ!?」

「・・あの人・・?」

私は懸命に息せき切らしながら言う。


「あのリョウっていう人っ」


「あー・・諒か・・。なんだよ、急に」

「いいからっ」


お兄ちゃんはフーっとため息をついて話しだした。


「アイツは松浦諒。高校2年生で俺の後輩だ」

お兄ちゃんの後輩なんだ・・。

・・てことは・・16歳か17歳・・。

私が12歳だから・・・。んー・・。


「それで!?」

私はお兄ちゃんの話の続きが聞きたくて急かした。

「それでって・・それだけだよ」

それだけって・・。えぇぇーーー・・。