「あ・・あの・・どうもありがとうございました・・」
リョウってゆう人は苦笑いで言う。
「まさか上から降ってくるとはねーー・・。やんちゃだなーー」
そう言って私の頭をポンとたたき立ち上がった。
「・・・」
私はしばらくの間ボーっとしていた。
「・・・・」
今の・・誰なの・・?
見たことない人だった。
お兄ちゃんは最近暮らしてた高校の寮から家に帰ってきた。
だから家に誰かを連れてくるのは初めてだ。
お兄ちゃんがまだ寮暮らししてた頃滅多に合えなかった。
小さい頃、お父さんとお母さんがあまりにラブラブすぎてかまってもらえずにいた私はお兄ちゃんにばかりくっついて・・。
お兄ちゃんはお父さんとお母さんにほとほと呆れ返って、高校に入ると同時に寮に入ったのだ。
その後のお兄ちゃんは長い休みになるとほんの一週間くらい家に帰るだけでほとんど私は顔を合わせることがなかった。
たまに偶然見かけるお兄ちゃんは常に女の人と一緒だった。
なんか・・不思議な感じが漂う、しかもとても繊細で硝子のようなとても綺麗な人・・。
そんな人と一緒だった。
でも私はなんとなくその女の人が結構好きだった。
話したこともないけど・・なんか好きだった。
いつか会ってみたいなー・・と思う。