「?どうした?顔が赤いぞ?」

奏多君はそう言い私のおでこに手が触れた。

私の顔は一瞬で赤くなった。

「大丈夫!?熱でもあるんじゃないの?」

そういい、奏多君はお医者さんを呼ぼうとした。

「違うの!これは・・・その・・・奏多君のせい

で・・・。」

「・・・え!?」

びっくりした表情で奏多君は黙ってしまった。

しばらくこんな重い空気が続いた。

「・・・き・・・。」

奏多君は、小さな声で言った。

「?何?」

「ーっ!!だから!好きなんだよ!お前のことが!」

「・・・え!?」

今度は私が驚かされ、思わず固まってしまった。
「・・・嘘だ!」

「はぁ?こんな時に嘘なんかつくかよ!こんな場所で!」

「それでも、私なんかを好きになるなんて絶対ありえな

い!」

私は、必死に言った。

だって、きっと同情に決まってる・・・。

「だから絶対ありえな・・・。!!」

奏多君は、私を抱き締めた。

「如月って本当に強情だよな・・・。素直になれよ!」

「!!だから、私のこと本当は好きじゃないくせ

に・・・。こんなことしないで!」

「ーっ!あのなぁ!俺はこんなこと好きな子にしかしない

から!ていうか、これ恥ずかしいんだけど・・・。」

「え?」

私は、奏多君の顔を見た。

すると顔がすごく真っ赤になっていた。

「なんだよ・・・!そんな顔見て・・・。」

「フフッ・・・顔真っ赤!」

私は、微笑み少し悪戯に言った。
「なんだよ!さっきだって如月も顔真っ赤だったくせ

に!」

「何よ!奏多君の顔ほど赤くはなってません!」

「なんだと!!」

「何よぉー!」

「・・・フフッ。あははははっ!」

私たちは笑った。

「なんか、強きになってるのがバカみたいになってき

た・・・!」

「!!それって・・・!」

「私も・・・。奏多君のこと好きだよ・・・。」

「・・・じゃあ何でさっきは嘘ついたんだよ!」

「だって・・・!私なんかでいいのかと思って・・・!」

そう言い、私は目が潤んでしまった。

「私なんかじゃない・・・!如月がいいんだ!」

奏多君は、私の手を引っ張り耳元で囁いた。

「好きだよ。」

その言葉に、私はまた顔が真っ赤になった。

「お前の顔本当に可愛い。」
「リリリリリッ!リリリリリッ!」

静かな部屋で目覚まし時計の音が鳴り響く。

退院してから少しフワフワした気持ちになっていて、実

感がない・・・。

だって、奏多くん告白されるなんて・・・!

思い出しただけでも顔が真っ赤になっていった。

そんなこと、あれこれ考えている間に時間があっという

間に過ぎていった。

「きゃー!もう、こんな時間!早く行かなくちゃ!」

私は、急いで朝食を食べた。

「いってきます!お父さん!」

写真に写ってるお父さんにいってきますのあいさつをし

て私は家を出た。
私は、教室の前に着くと扉を開けずに立ち止まってい

た。

“怖い”

その言葉が、頭の中を過っている。

もし、また奏多くんに何かあったらどうしよう・・・。

怖くて足が震えていた。

するとそこに、奏多くんがソッと手を掴み“大丈夫”っ

と言ってくれた。

その言葉を掛けてもらっただけで震えが止まった。

私は、大きく深呼吸をして扉に手を伸ばし開けた。

扉を開けた瞬間みんなは私を見ていた。

私は、すごく緊張していたが奏多君が隣にいる。

それだけで、こんなにも緊張がほぐれるなんて・・・。

すると、私の前に男子が前に出てきた。

!?

それは、私を殴った男子だった。

「-っ!ごめん!!」

「え?」

いきなり、頭を下て謝ってきた。

「女の子の顔を殴るなんて俺・・・!!一生謝っても足りないけど・・・。本当にごめん!」

男子は必死に誤っていた。

「・・・。顔・・・上げて。」

バチンッ

私は、その男子の頬を両手で掴んで。

「許すかわりに私の願い1つだけ叶えてくれる?」

「・・・。あぁ、いいよ。」

「・・・私とお友達になってよ!」

私は、笑顔で言った。

「・・・え?そんなんでいいの?」

男子は恐る恐る聞き返した。

「そんなんでいいのじゃない!それがいいの!」

私は、少し強気で言った。

「・・・ふっ。いいよ。仕方ないから友達になってやるよ。」

そう言い、教室の空気は和らぎ私はホッとした。
こうして、平和な日々を過ごせると思いホッとした私だ

った。

だが、現実はそう簡単にはうまくいかなかった。

最近奏多くんが、学校に来なくなった。

私は、なんだかハラハラしてきた。

だって、私の知らない所で奏多くんに何かあってたらど

うしよう・・・。

そんな、数日たったある日奏多くんは学校に現れた。

すると、先生は授業の前に大事な話があるといい授業を

後回しにした。

「みんなに、大事なお話があります。実は、奏多くんは

ご両親の都合により転校することになりました。」

ーえ?
「えー!?うそ!?」

「まじで!?なんで!?」

教室は、大騒ぎになった。

「みんな、落ち着いて!えっとね、明日引っ越ししてし

まうのでみんなちゃんとお別れの挨拶しとくのよ!」

ダメだ・・・。

こんなことで、動揺しちゃダメ・・・。

「では、授業に・・・ー。」

言葉が入ってこない・・・。

あぁ・・・。

明日でさよならなんだね?

そして、私の目から静かに涙が零れた。