圭太センパイ。
杉本(スギモト)圭太さんは1つ年上で、中学時代同じ剣道部だった。
ウチの中学は生徒全員部活動強制参加。
私は運動苦手だし、絵を描くのはキライじゃなかったから美術部に入るつもりにしてた。
だけど、同じ小学校出身のみよちんが小さい頃から地元の剣道場に通っていて、その道場に通ってるコたちは中学生になったらみんなウチの中学の剣道部に入部するらしく。
私はみよちんに見学についてきてって言われたからついていっただけだったのに、気づいたら私も剣道部員になっていた。
半ばゴーインに私を剣道部員にしたのが圭太センパイだった。
女子部員が少なくて、私が入部したら女子も団体戦に出られるとかいう理由で。
圭太センパイは地区が違うけど、みよちんとおんなじ道場に通ってたらしく、シロウトでも圭太センパイがとっても上手だってことはすぐにわかった。
私は運動が苦手だし、みんなと違って剣道初心者で、足をひっぱってばっかりだったけど、みんなやさしかったし、なによりも圭太センパイがいたから続けられた。