「由実ちゃん。お願いがあるんだけど」

「それはもうわかってるから要件を早く言いなさい」

「あのね……明日着る服を貸してほしいなと思って」

「は?昨日、イオンに行って買いまくってなかった?」

「そうなんだけど!」

確かに、昨日はお母さんと由実ちゃんと3人で地元のショッピングモール・イオンでたくさん服とかアクセサリーとか靴とか買った。
でも、それはあくまでも友達と遊ぶ用だもん。
まさか圭太センパイと会う約束が決行されるって思わなかったし。

「あ!わかった~」

私はうまく説明できなくてうつむいてると、由実ちゃんが大きな声を出すから、慌ててカオを上げる。
すると、由実ちゃんがニヤニヤしていた。

「デートか!」

「ち、違う!デートとかそういうんじゃ!」

「でも、男のコと会うんでしょ?」

「!!でっ、でも、ご飯食べに行くだけだし!」

「なるほどね~。その人カレシ?」

「違うよ!好きな人!」

「あら~青春」

「由実ちゃんオバサンくさい」

「そんなこと言ったら服貸さないから」

「すみません」

ジロッとにらみをきかせるから、謝るしかなかった。


「ねね、どんな人よ!」

「え~~~~!」

「服借りたいんでしょ?」

「むぅぅぅぅ!!」

そうして私は圭太センパイとのことを色々白状せざるをえなくなった。