だけど、そんな時間もわずか。
「もう帰ろう」
圭太センパイが私からそっと離れた。
今まで感じていた体温が一気に消えた。
ヘルメットをかぶり、圭太センパイはバイクにまたがると、すぐにエンジンをかけた。
「気をつけて帰れよ」
一度だけ私を振り向くと、すぐに立ち去ってしまった。
もう圭太センパイはいなくなってしまった。
今日ずっと一緒にいて、たくさん楽しかったのに。
他に好きな人がいたなんて。
フッたのに抱きしめるなんてヒキョー者。
ズルい。ズルい。ズルい。ズルい人。
私の人生初の告白は大失敗。
でも、フラレたからってすぐにはキライになれないよぉ。
やっぱり、圭太センパイのことはすぐにはあきらめきれそうにもないや。
圭太センパイ。
私多分あきらめ悪いと思います。
ヘビ年は執念深いっていうでしょ?
いつかは絶対に振り向かせてみせますから。
だから、その時は
『センパイのカノジョにしてください』