「センパイ、ズルい!」

「うん、ズルくてごめん」

「好きな人いるクセに!私のこと妹だって言ってるクセに!」

「うん、ごめん」

「ズルい!ズルい!ズルい!」

まるで子供みたいに、私は圭太センパイをたたいたりギュッと抱きついたりおさえようのない感情を圭太センパイにぶつけた。


「センパイのカノジョになりたかったよー」

「ごめんな、かなえてやれなくて」

「もうセンパイ以上好きになれる人に出逢えない気がするぅ」

「そんなことねぇって」

「そんなことあるのっっ」

「大丈夫」

「やだ!圭太センパイじゃなきゃやだ!」

「ごめんな」

圭太センパイは私のアタマをやさしくやさしくなでてくれるから、私はもうそれ以上なにも言えなくなってしまった。


お互い抱きしめ合ったまま、じっとしていた。
離れたくない。