たどりついたのは駅前の芝生エリア。
ベンチが2つあるだけの小さな場所。
ベンチはひとつ空いていて、そこに私たちは座った。
「うわっ、つめてぇ!」
「すみません!」
「泣きすぎだからっ」
圭太センパイは私の涙でぬれたジャケットをさわっておおげさに反応する。
だけど、決して怒ったりしてないことはわかる。
圭太センパイが泣き止んだ私を見て、やさしい瞳で見てくれてるから。
「あーあーあー、カオぐちゃぐちゃじゃん」
多分、マスカラも落ちちゃってるんだと思う。
圭太センパイが、私の目の下を指でなぞった。
「あ、ヤベ!すまん、よけー汚くなった」
「え~~~!」
お互いカオを見合わせて笑った。