カラオケを出ると、外はもう暗くなっていた。
圭太センパイはバイクにまたがる。
「そろそろ帰るか」
そう、だよね……。
もう暗いし、昼間から充分遊んだもん。
フツーそうなるよね。
「……はい」
返事は自分が思ったよりもずっと小さな声だった。
今までのキラキラした幸せな時間。
それが一気に魔法がとけたみたいに散っていく。
もう少しでお別れ。
「どした?」
ヘルメットを渡されたまま、うつむいたままじっとしてる私をヘンに思って、カオをのぞきこんできた。
今にも泣きそうなカオを見られたくなくて、私はクルリ横を向く。
「なんだよ~、まだオレと離れたくないって~。しょうがねえな」
「……」
圭太センパイの冗談に、どう答えればいいかわかんないよ!