きた!
天敵シゲ!

私たちが座ってる前に座り込んだ。

もうっっ。
ガキは他のコたちとたまむれとけ!


「今日はふたりで来たんですか?」

「うん、そうだけど?」

圭太センパイがケロッと答えると、シゲくんのカオはみるみるうちにおサルさんみたいにまっかっかになった。

「ふたりはそういう関係なんですか?」

興奮して大声で叫ぶ。

中学生。
恋愛に興味があるのは当たり前。

現に、圭太センパイと来た時から「もしかしてふたりって…」みたいな視線はうぬぼれじゃなく、ビシビシと感じてたし。

シゲくんの大声でみんなの動きが止まり、私たちに視線が集中する。


「そういうって、オレたちが付き合ってるかってこと?」

シゲくんの興奮にたいして、いたって冷静な圭太センパイ。

やっぱり、圭太センパイはもう高校生なんだなぁ。


シゲくんは大きくうなずく。

「バーーーカ」

「イッテー!」

圭太センパイはシゲくんに思いきりデコピン。

「たんじゅ~ん。これだからガキは」

「え?え?え?どういうこと?」

今のシゲくんの頭はきっとクエスチョンマーク飛びまくりなんだろうな。

「ね、神崎」

圭太センパイは私にハナシを振る、冗談っぽくウィンクまでしながら。

「ね」って言われましても!
あなたの心次第なのですが!


「……さぁ?」

そうやってはぐらかすのが精一杯だった。


でも。でも。でも。
圭太センパイは否定しなかった。

それはいいふうにとらえてもいいのかなぁ。
期待してもいいのかなぁ。

ねぇ、圭太センパイ。