「……うん、オッケ。今日何人いる?……おうわかった。じゃあ、今近くのジョイにいるから、あと10分くらいしたら行く」

そう告げて、圭太センパイは電話を切る。

「よかったよ、さっき練習終わったばっかで、みんなまだ帰ってないみたいだから」

「そうなんですね、じゃあ行きましょ」

「ん」

圭太センパイは伝票をサラッと取った。

「おごりだからな、出しちゃダメだぞ」

「……はいっ」

私はサイフをバッグにしまった。

やっぱり冗談半分で持ちかけたハナシだし、ご飯をふたりきりで食べただけでも天国みたいなのに、やっぱり自分の食べた分くらいは払ったほうがいいんじゃないのかなって思って。

だけど、圭太センパイはおちゃらけて言ってくれたから、私も素直に甘えようって思う。

圭太センパイってこういうやりとりが本当に上手なんだよね。
相手に気を遣わせない人。