『噂…?』 諭とは思えない位、余りに真剣な声だった。 『うん。爺ちゃんに聞いたんだけどさ。』 『…うん?』 『この寺には、100年に一度だけ生け贄を捧げないといけないってやつ。』 突然何を言い出すかと思えば…。 呆気にとられた。 『さーとしぃ!そんなの信じてるなんて、らしくないよ!』 視線を空へ送る諭は、 またゆっくりと階段を登り始めた。 『ま、待ってよ!』 私は慌てて追い掛ける。