こんな時間に、何してるんだろう。


無意識に足が公園へ動いていた。




環くんは、桜の木の下で佇んでいた。



そう、この雰囲気だ。


環くん一人だけが世界に取り残されてしまったかのような、不思議な雰囲気をしてる。



声をかけたくても、かけられない。




思わず後ずさると、バキッ、と足元に落ちていた木の枝を踏んでしまった。



その音に気づいた環くんと、目が合う。



「莉子ちゃん?」


「……ど、どうも」



反応に困って、他人行儀な挨拶になっちゃった。


うわあ、変な人って思われてたらどうしよう!