そして、わたしと依世ちゃんは、靴を履き替えたあと校舎を出て、依世ちゃんの家へ向かった。



依世ちゃんの家は、学校から徒歩五分以内という驚きの近さ。


町で唯一の美容院ということもあり、毎日お客さんが来て忙しいが、その分繁盛しているらしい。




「そんなに忙しいのに、わたしの前髪を切ってもらっちゃっていいの?」


「もっちろん。あたしの友達なんだから、特別に優先!」



依世ちゃんは、当たり前のように即答した。



依世ちゃんの、そういう自分のしたいことを堂々と胸を張ってするところ。


わたしも見習いたいな。






「ここだよ、あたしの家」


依世ちゃんの家は本当に近かった。



昔ながらの二階建ての一軒家を若干改装した、和風な家。


一階が美容院のようだ。