自分で切ったら、大変なことになりそうだし。
それに何より、依世ちゃんが『切ろうか?』って言ってくれたことが、本当に嬉しかった。
「今日の放課後、空いてる?」
「うんっ」
「じゃあ、今日一緒に帰ろうよ!あたしの家に案内してあげる」
こっちに引っ越してきて、初めて友達と帰る約束をした。
依世ちゃんは、気づいてないんだろうな。
わたしが、一緒に帰る約束にどれだけ喜んでいるのか。
どれだけ、依世ちゃんに感謝しているのか。
「ありがとう、依世ちゃん」
どこにでもあるようで、本当は奇跡のような、この幸せをずっと大切にしていきたい。
依世ちゃんと、笑って過ごしながら。