じゃあ、なんで、環くんと目が合うだけで、こんなにも惹かれるんだろう。
「環くんって……お兄さんとか、いる?」
環くんの目が、丸くなる。
……環、くん?
「どうして?」
環くんは目をそらしながら、質問で返された。
予想外の反応に、「あ、えっと、その……」と口ごもってしまう。
そ、そうだよね。
いきなりそんなこと聞かれたら、そうなるよね。
「た、ただ、ちょっと、気になって」
二人が似ているのは、“あのときの少年”が環くんのお兄さんだからなのかもしれない。
そんな考えが浮かんで、つい聞いちゃったんだ。
でも、聞かれたくないことだったのかな。
どうしよう。
環くんに、嫌な思いさせちゃった。
一番笑顔になってもらいたい人なのに。