「あたし、好きな人がいるの。それはね………」

私の恋心は、音を立てて崩れてしまった。

友達の優明華から、恋愛相談に付き合わされた私は、恐るべきことを知ってしまったんだ。

ああ。
こんなことなら、誘いにのらなきゃよかったわ。

「薫音(ゆきね)は?」

「え?私?」

私は、薫音。
このたび、失恋しました。