レス・パウダーレスのレビュー一覧
5.0
大人になり日々に流され、いつの間にか彼女は体の外側に自分と外界とを隔てる薄い膜を張っていたのですね。 その膜は色々なものから自分を守ってくれる。その代わり、心の動きが鈍くなって、何かに大きく心を動かされることもない。恋人の存在すらどこか不確かで、関係はどんどん深くなっていくのに、彼女の心はちっとも追い付けない。 その膜が剥がれかけた瞬間、偶然に飛び込んで来た彼。 ありのままを受け入れられ、彼女の固まっていた心が再び音を立てる。 そのシチュエーションと心の描写が秀逸で、私の心もふわりとほどけたような感覚がしました。 彼と会う前、彼女がファンデーションで化粧直しをせず、敢えてパウダーだけで済ませていたのは、その膜を破りたい、破って欲しい、外の世界でまた息をしたい。その願望のあらわれのように私には思えました。
大人になり日々に流され、いつの間にか彼女は体の外側に自分と外界とを隔てる薄い膜を張っていたのですね。
その膜は色々なものから自分を守ってくれる。その代わり、心の動きが鈍くなって、何かに大きく心を動かされることもない。恋人の存在すらどこか不確かで、関係はどんどん深くなっていくのに、彼女の心はちっとも追い付けない。
その膜が剥がれかけた瞬間、偶然に飛び込んで来た彼。
ありのままを受け入れられ、彼女の固まっていた心が再び音を立てる。
そのシチュエーションと心の描写が秀逸で、私の心もふわりとほどけたような感覚がしました。
彼と会う前、彼女がファンデーションで化粧直しをせず、敢えてパウダーだけで済ませていたのは、その膜を破りたい、破って欲しい、外の世界でまた息をしたい。その願望のあらわれのように私には思えました。
ゆっくりの呼吸と同じ速度で読める。 バスルームで主人公が昔と今とを思っているシーン、なんだかジーンとして涙が出る。 共感だなぁ分かりすぎるほど分かる。 主人公を後ろから抱きしめたくなるけれど、それはきっと少女の自分も重ねてるのかもしれない。 辛い恋をしてきた人、社会で苦労してきた人ほど、塗り込めて固める鎧を作る術が巧いから。 自分を剥がしてありのままにしてくれる人を愛したいと思う作品でした。 作者さまみたいにふんわりとあたたかい作品です。
ゆっくりの呼吸と同じ速度で読める。
バスルームで主人公が昔と今とを思っているシーン、なんだかジーンとして涙が出る。
共感だなぁ分かりすぎるほど分かる。
主人公を後ろから抱きしめたくなるけれど、それはきっと少女の自分も重ねてるのかもしれない。
辛い恋をしてきた人、社会で苦労してきた人ほど、塗り込めて固める鎧を作る術が巧いから。
自分を剥がしてありのままにしてくれる人を愛したいと思う作品でした。
作者さまみたいにふんわりとあたたかい作品です。
学生時代の恋、大人の恋。それを思い出す主人公にものすごく共感しました。そうだった、私もそんな恋をしていた。それをとてもみずみずしく思い出します。表現力が秀逸で胸にいろいろな感情が自然に蘇ってきます。大人の恋は難しいけれど、最後は清々しくて温かな気持ちになれました。
学生時代の恋、大人の恋。それを思い出す主人公にものすごく共感しました。そうだった、私もそんな恋をしていた。それをとてもみずみずしく思い出します。表現力が秀逸で胸にいろいろな感情が自然に蘇ってきます。大人の恋は難しいけれど、最後は清々しくて温かな気持ちになれました。
もう女の子なんかじゃない。
全身でどきどきして、輝いて、
心踊るような恋ができるわけじゃない。
そんな単純じゃない。
複雑で難解になってしまった。恋の仕方も。
そう思ってた。
だけどほんとうは、とても小さなことで
どきどきして、世界でいちばん幸せになれるのだ。
もう戻れないけれど、新しい恋の仕方だってある。
女の子だったからできる恋がある。
そう思わせてくれる素敵なお話でした。
大人の恋と、あの頃の恋。
比べては現実はああだこうだと、あの頃は良かったなどと思って落ち込んで。
たまに自分はあの頃とは違うのだと、戻らない時間で思い悩む。
リアルだなあ、と、思いました。
途中、学生の頃の恋と今の恋のはじまりはやはり違うのかなあと少し寂しく感じました。
心が満たされてから好きなのだと思うのか。
まだ隙間のある心に少しずつ注ぎ込みながら「これは間違いじゃない」と言い聞かせる。
すこし納得してしまう自分に、主人公の心の寂しさが投影されました。
だけど最後の最後。救われましたね。
同じだ。まだあった、あの頃の恋のはじまり。
素敵な作品でした!
ぜひ皆さんもご一読を。
今思えば、昔のわたしはもっとキラキラしていた。
ひとつひとつのことに、どきどきして
ときめいて、うれしくて、はずかしくて
そして今はそれは絵葉書のように確かに残り
持ち歩いて振り返っては、今の私は
女の子から女になったんだと気づかせる。
でも
わたしの本当の姿を褒めてくれたあなたに
わたしはまたきっと、恋をしたのだろう。
.
最近、大人になったんだなあと強く感じているわたしにとって、ずしりとくるお話でした。
主人公の考えていることひとつひとつに共感できるし、わたしもきっと絵葉書を持ち歩いて、あの頃はよかったなあと考えているのだと思います。
三口さんの最後の一言にわたしもドキッとしました。
最後の最後に、また主人公の気持ちと重なりました!
かなさん、リアルで、でも素敵なお話をありがとうございました。
まだいつだってすっぴんだった、あの頃。
あの頃の恋は、なにもかもが全力で。
ずるさも、したたかさも、大人の事情も関係なくて。
全力で、好きになって、全力で、失恋をして。
だけど、大人になった今。
ラインで強さを、リップで色気を、チークであどけなさを演出して、なにもかもをパウダーで隠して。
作り上げられた舞台でする恋は、色んな事情も大人のずるさも重なって、始まりはどこか曖昧で。
だけど、そんな風に、からだを重ねてから本物の恋に気付く恋愛も悪くない。
無防備な自分を受け入れてもらった瞬間にすごくときめいてしまうのは、きっと大人になったから。
こんな物語を書けるかなさんが好きです。
『うわ~ガキ』『うわ~オヤジ』10代には10代にしか出来ない事があるし、40代には40代しか出来ない事もある。過去を愁う事はしない主義。だけどたまには、あの頃は楽しかったな~などと負惜しみを言う事もあったりして。社会人にはとかく『常識』と言う物が付きまといますが、でもどんな年齢になっても、どんなに取り繕っても、誰しも求める物はいつもシンプルな『好き』のひと言。作中の彼女は、そんな『好き』にやっと巡り会えたのだと思いました。
『うわ~ガキ』『うわ~オヤジ』10代には10代にしか出来ない事があるし、40代には40代しか出来ない事もある。過去を愁う事はしない主義。だけどたまには、あの頃は楽しかったな~などと負惜しみを言う事もあったりして。社会人にはとかく『常識』と言う物が付きまといますが、でもどんな年齢になっても、どんなに取り繕っても、誰しも求める物はいつもシンプルな『好き』のひと言。作中の彼女は、そんな『好き』にやっと巡り会えたのだと思いました。
この作品すごいです。 とても好きです。 大人な雰囲気も、展開も、背景も。 全部好きです。 ありがとうございました。
この作品すごいです。
とても好きです。
大人な雰囲気も、展開も、背景も。
全部好きです。
ありがとうございました。