ナオの中に、一番はない。


きっと。


“私はナオの何?”


そう聞けばきっと。


“みーはみーだよ。”


そんな答えが返ってくるんだ。


知ってたんだよ、ナオ。


ナオの家に行くとね。


他の誰かの爪痕が残ってる。


髪の毛。


香り。


ピアス。


シンクに置かれたグラスに残る口紅。


三角に折られたトイレットペーパー。


あげればキリのないほど。


それでもいいと、目を伏せていたのは誰?


他でもない、


私だった。





“私とコイツ、どっち選ぶの”


“どっちって・・・・”


























『両方に決まってるやろ。』