「直紀っっ!!!!」


それは、あまりにも突然に。


世 界 は 色 を 変 え る 。


「えっ・・・みか?」


みかって言うらしいその人は、
物凄い剣幕で私を睨む。


私はあまりにも冷静で。


だって、


想像が、現実に。


思っていた事が、そのままリアルに映し出されているから。


「誰、こいつ。」


思い切り指を私に向ける。


「みーだよ。」


そうだよね、
ナオが私にとってナオであるように。
私もナオにとってみーでしかないんだ。


それ以下でも。


それ以上でも。


分かりきった事なのに。


胸が苦しい。


この世界は、あまりにも生きずらい。


息がまともに出来ないから。


「直紀、私とこいつ。どっち選ぶの!!?」


「どっちって・・・」


ナオがこれから言う言葉はきっと。


私の心をズタズタに切り裂く。


だったら、傷つく前に。


「ナオ、私今日は帰る。この人の相手、してあげなよ。」


みかと呼ばれるその人は、
すごい目で私を見る。


泣き叫ぶ声が、家を出ようとする私の耳に響く。


私もこんな素直に泣けたらいい。

ナオはきっと、あの人を抱きしめる。


私を抱きしめたその胸で。


あの人に、みかが居ないとダメなんだと言うんだ。


ナオ、


あんたは少し、


残酷すぎるよ。