「購買ってどこだろう」
先輩から購買のチョコレートピーナッツサンドを買って来るように頼まれた。しかし私自身、1年生でお弁当派なため購買は利用したことなかったため、購買の場所はわからない。
今日は土曜日で学校はお休みだが、私は部活があるため学校に来ていた。そのため生徒の姿はあまり見渡らない。
「はぁ、どうしよ」
「どうかしたのか?」
ひょっこりと顔を出されて私は悲鳴をあげた。私の悲鳴に驚いた相手も悲鳴をあげた。
「びっくりした」
「俺もだよ」
そこにいたのは柔道着を来た男の人、自分の学年ではないことは明らかだ。
「迷子か?」
「迷子じゃないです、購買を探してるんです」
「やっぱり迷子なんじゃねぇか、着いてこい案内する」
そう言われ私はその男の人に案内された。私は先輩から頼まれたチョコレートピーナッツサンドを買った。
「あの、ありがとうございます。」
「おっ、おう」
そう言い先輩は去ってしまった。
「あー、やべ可愛すぎだろ。あの1年」
柔道場に入る前、購買を案内した男子生徒の鵜飼竜二はそう呟いた。
「へぇ~、可愛い後輩がいたんだ」
「マジでやべぇ、彼氏とかいるのかな」
「さぁ?。でもそれより俺はなんで練習に遅れたのか知りたいな」
「いやあんなに可愛いんだから彼氏いるって……、ってえぇ、ちょっ、部長」
鵜飼の後ろには、にこやかに微笑むが怒っている柔道部部長の神柳時雨だった。
「休憩時間とっくに過ぎてるけど?弁明があるなら聞くよ」
「すいませんでした」
と鵜飼は頭を下げた。
「まぁ、君のことだから正当性のある理由だと思うし。恋に現を抜かすタイプでもなさそうだし、練習に戻っていいよ」
「はい」
そう言い鵜飼は部活に戻ったのだった。そして後日、彼は友人に1年の名前を教えてもらった。
天神林日菜子という名前も可愛いと鵜飼が1人悶えていた姿を見た生徒達は皆、気持ち悪いと思ったらしい。