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4:00
『自宅』
ピピピッ……
ん…起きて、朝ごはん作らないとな……
伊戸川家では、朝ごはんは大体俺が作ることになってるんだ笑
紹介が遅れましたが、俺は伊戸川雄輝です笑
陽菜の夫で、同じ職場で医師として働いています笑
陽菜は朝が弱いから、ご飯を食べることさえ一苦労……((+_+))
あ、その前に今日のカンファレンスで使う資料をまとめないといけないんだよな…
カタカタ……
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4:45
『リビング』
よし、ほぼほぼ完成だな(^◇^)
シャワー入って、朝飯作ろ…
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ザーーーーーー…………
ふぅ、さっぱりした。
やっぱ、仕事前にシャワー入らないとなんか目が覚めないんだよなー
そろそろあいつが起きる時間か……
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5:28
『寝室』
いつも、みの虫みたいにくるまって寝てるよな笑
寝返りうったらすぐベッドから落ちそうだわ笑
ピピピピ………
陽菜「んーよく寝た……4月とはいえ、まだ寒いな……」
今日から新年度だから、いつもより少し早く出ないと間に合わないんだよな…
雄輝「おはよ陽菜、早くしないと遅れるよ?」
陽菜「おはよう、寒くて布団から出たくない…」
雄輝「まさか、熱はないだろうな。」
陽菜「流石に、それはないよ!!」
といって、熱があることが何回あったことか…
雄輝「ならいいけどー。」
まぁ、今日は顔色もいいし大丈夫か…
でも、俺今日から出張だし…一応俊介に言っておくか…
雄輝「ご飯出来たぞ。早く食べろー。」
陽菜「はーい、ありがとう。」
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いつも職場へは、陽菜とふたりで車で通勤。
家からも30分ぐらいで到着するから、満員電車にのらず通勤できてめっちゃ楽…笑
6:45
『職員玄関』
陽菜と俺は、科が違うから大体ここで別れる。
お互い、白衣に着替えたりしないといけない…
雄輝「じゃあな、体調があんまりだったら、すぐ電話しろよ。」
陽菜「はーい、大丈夫だよ笑 じゃあねー」
これでも心配症を極限まで抑えてるつもりだ笑
たぶんここまで心配症になったのは、あの事があったからだと思う…
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2004年5月
俺が17歳で陽菜が16歳だった頃。
一年生にすごい可愛い子がいると、学校で話
題になっていた…
その頃の俺は、受験勉強で恋愛どころじゃな
かった……
でも、そんなにみんなが騒ぐほど可愛いのか
少し興味があった笑
そんなときに…中学からずっとつるんでた正貴
が、
正貴「なぁ、雄輝。一年の陽菜ちゃんのとこ見に行ってみようよ笑」
雄輝「はぁ笑 お前一人で行ってこいよ笑 俺忙しいし。てかよく名前まで覚えてんな笑」
正貴「えー、そうかな笑 松澤陽菜ちゃんって言ってな、まぁ名前からして可愛い感じが想像できるけどなぁ……でも、お前もちょっとは気になるだろ?」
雄輝「すげぇな、まぁ…笑」
正貴「お!とうとう気になるようになったのか笑 学校一のイケメンと称され、一年間であんだけ告られても興味を持たずばっさり切り捨てていたお前に!」
雄輝「その説明要らないから笑 つか、名前も知らない子から告られてもOKできないだろ…」
正貴「俺なんてな、まだ告られてもいないんだぞ!!少しはこっちの身になれよ!!」
雄輝「うん?」
正貴「で、陽菜ちゃんのとこ行ってみようよ!!」
雄輝「ん、わかった笑」
正貴「おおおおお!!!行こーぜ!!!」
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雄輝「で、来たわいいけど、どの子がそうなの?」
正貴「うーん、いない………(-.-)」
雄輝「どんまいだな笑」
正貴「俺、しゃべってみたかったんだけどな~笑」
雄輝「探して話してくればいいじゃん笑」
正貴「はぁ?俺が急に話しかけても絶対ひかれるだけじゃん笑」
雄輝「だって、正貴が言ったんだろ笑 しゃべってみたい~って笑」
正貴「まぁ、そうだけど…やっぱシチュエーションってもんがあるじゃん?俺はそれを……………」
雄輝「先戻ってるわ~」
正貴「おい!まだ話の途中だぞ!!!聞け~!!!」
あいつに語らせると、長いからな笑
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教室に戻ろうと、階段の近くまで行くと…
ゴホゴホ……… ゴホゴホ………
ん?だれか咳してるのか?
それにしても、なんか辛そうな咳だな…
そう思って階段を下りていくと、踊り場に一
人の女の子がうずくまっていた。
雄輝「君、大丈夫?」
??「ゴホ… すいません…ゴホゴホ…大丈夫です……」
自分で聞いたが、大丈夫そうではなさそ
う………
両親が医療関係者ってのもあって、多少の知
識はあり、その子が握りしめてた吸入薬から
喘息の発作だと思った…
雄輝「とりあえず、ここだと冷たいから…立てる?」
??「ゴホゴホ……は…い……ゼーゼー……」
この短時間で、一気に呼吸する音が変にな
っていくのは医者じゃなくても分かる…
雄輝「とりあえず、すぐそこのベンチに座ろ?」
??「ゼーゼー…………は…い……ゴホゴホ…」
ようやく、立てたが体がフラフラしてる…
正貴「雄輝~!!待てよ~!!!」
ちょうどいいタイミングで正貴が追いかけ
てきた…
雄輝「正貴!ちょうどいいところに来た!手伝ってくれね?」
正貴「おけー!どうしたん?」
雄輝「この子をここじゃ冷たいから、あっちのベンチに座ら………………」
バタン!!!!!!!!
雄輝・正貴「!!!!!」
あの子が倒れたのだ。
雄輝「おい!大丈夫か!?」
そう呼びかけるも…
??「ゼーゼー…………ヒューヒュー………」
苦しそうな呼吸音しか聞こえなかった。
そしてふとおでこを触ると…
雄輝「あっつ……どんだけ熱あるんだよ。」
多分軽く39℃はいっていたと思う。
正貴「あ!この子……」
雄輝「なんだよ、とりあえず、保健室に運ぶぞ。」
そう言い、その子を持ち上げると…
何も食べてないんじゃないかと思うぐらい、
軽かった…
そして、保健室に到着し
雄輝「すいません、階段のとこで苦しそうにうずくまっていて、そのあとすぐに倒れたんですけど。」
養護教員「あら!!!!陽菜ちゃん!!大丈夫???意識ないのね!!じゃあこっちに運んで!!」
雄輝「はい。」
その子をベッドに運んで、先生に
雄輝「大丈夫ですかね…」
というと…
養護教員「うーん、とりあえず救急車呼んだから……そういえば、陽菜ちゃん確か伊戸川君のお父さんがいる病院がかかりつけだと思うんだけど…一緒に行く?」
なんかこの子に付いていないといけないよう
な気がした…守りたくなるような……
だから、俺は迷わず。
雄輝「はい、一緒に行きます。」
養護教員「倒れた時の状況も正確に伝えれたほうがいいし、担任には私のほうから伝えておくから。とりあえず荷物持ってきなさい!」
雄輝「はい、ありがとうございます。」
正貴「じゃあ、俺は一年のとこに行って陽菜ちゃんの荷物持ってきます!!」
養護教員「うん、お願い。」
ガラガラ……
小走りになりながら教室に向かっていると…
正貴「お前ってやっぱすげーわ笑」
雄輝「なんだよ、急に。」
正貴「さっきの子、見に行った陽菜ちゃんだよ笑」
雄輝「そうだったんだ。」
正貴「ちゃんとそばにいてやれよ笑」
雄輝「あぁ。」
正貴「じゃあ、俺こっちだかんな!保健室集合な!!!!」
といってダッシュしていった。
俺も早く戻らないとと思い、廊下猛スピードでダッシュした。
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ガラガラ…
雄輝「荷物取ってきました。」
正貴「俺も今戻ってきたとこ。」
養護教員「斎藤君、ありがとう。」
正貴「いえ、じゃあ俺戻りますね。」
養護教員「うん、ありがとう。」
ガラガラ……
養護教員「もうすぐ救急隊の人が来ると思うわ。」
雄輝「まだ、意識戻らないですか?」
養護教員「うん、熱が40℃超えてるから…一応、酸素吸入してるんだけど…」
ガラガラ…
救急隊「すいません、救急隊です!」
養護教員「16歳の女の子で、喘息の発作だと思います。発見者によると最初は咳をしてうずくまっていたようですが、その後意識が無くなって倒れてしまいました。」
救急隊「分かりました。とりあえず、救急車へ移動します。付き添いの方は?」
養護教員「私と、発見したこの子です。」
救急隊「わかりました。」
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