「お腹すいたぁ。」
三時間目の終わりで、四時間目までの休憩時間。
小腹が空いてきた。
「チョコいる?」
紘のポケットには毎日、沢山のチョコがある。
「甘いのはやだ。」
「これ、ビターチョコ。これなら千花も食べれるんじゃない?」
いると言う前に、袋から取り出して私の口に運ぶ。
「…食べれる。」
チョコなのに甘くない。
もう一個頂戴って意味を込めて口を開ければ、同じ様にチョコを取り出して食べさせてくれた。
「美味いだろ?」
笑顔でそう聞くもんだから、紘の腕に抱きつき頷く。
「うわぁ、ここにバカップルがいる。教室でイチャイチャしないでよ。」
教室の窓際の一番後ろ。
そこで紘といたら、美咲が来てからかいだす。
「美咲。」
名前を呼べば、ニシシって、言葉が似合いそうな笑顔で自分の席に戻っていった。
そのまま少し話して、チャイムが鳴って私達も席に着く。
授業中も頭の中にずっと紘がいて、時々紘の方に目をやれば目が合う。
私は紘の全部が好き。
感情表現が苦手な私は、普通にしてても怒ってる?って結構人に誤解されやすい。
でも紘は、私のちょっとした事にも気付いてくれて、いつも私に笑顔と優しさと、愛をくれる。
好きな所を全部並べたら、キリがない。
だからひとことで
大好きだよ、紘。