その日は4月とは思えないほど、日差しが強く、暖かい陽気で、教室の窓は全開だった。
穏やかな風に包まれていた。
着ていたブレザーをイスにかけて、ネクタイをはずし、カバンにしまって、席に着こうとした瞬間に、いつもと違う光景に気づいた。
昨日まで何もなかった場所に、机とイスが置かれていた。
「出会いは高二の春だった。蒼井は…その子は転校生で、俺の隣の席だったんだ。だから自然に仲良くなって、、、」
「よろしくね?」って笑顔で言われて、
「こちらこそ」って視線をそらした。
思い出しても恥ずかしいくらい、
一瞬で心奪われていた。
「一目惚れ…だったんですね?」
ひとみちゃんが真顔で訊いた。
「一目惚れ…そうだったんだろうね。あの時は気づいてなかったけど」
スラっと伸びた華奢な身体。
透き通るような白い肌。
色素の薄い茶色い髪。
桜色に染まる唇。
人生初の一目惚れだった。
間違いなく恋に落ちてた。
「ちなみに訊くけど、知ってたりする?下の名前は望なんだけど」
「あおいのぞみさん」
「あおいのぞみさん」
二人は呟いて首を振った。
「世の中そんなに、狭くないよな」
穏やかな風に包まれていた。
着ていたブレザーをイスにかけて、ネクタイをはずし、カバンにしまって、席に着こうとした瞬間に、いつもと違う光景に気づいた。
昨日まで何もなかった場所に、机とイスが置かれていた。
「出会いは高二の春だった。蒼井は…その子は転校生で、俺の隣の席だったんだ。だから自然に仲良くなって、、、」
「よろしくね?」って笑顔で言われて、
「こちらこそ」って視線をそらした。
思い出しても恥ずかしいくらい、
一瞬で心奪われていた。
「一目惚れ…だったんですね?」
ひとみちゃんが真顔で訊いた。
「一目惚れ…そうだったんだろうね。あの時は気づいてなかったけど」
スラっと伸びた華奢な身体。
透き通るような白い肌。
色素の薄い茶色い髪。
桜色に染まる唇。
人生初の一目惚れだった。
間違いなく恋に落ちてた。
「ちなみに訊くけど、知ってたりする?下の名前は望なんだけど」
「あおいのぞみさん」
「あおいのぞみさん」
二人は呟いて首を振った。
「世の中そんなに、狭くないよな」