「おっす。え、お前何やってんの?」



「えー?あ、悠陽!」



彼は瀬名悠陽(セナユウヒ)


高校で知り合ったんだけど

妙に馬が合うから、仲良くやってる男友達。


顔はイケメンでモテるはずなのに、馬鹿だからなのか彼女はいない。


でも、その明るい性格から
クラスのムードメーカー的存在の元気野郎。



「お前…不自然だぞ?なんで机に隠れてんだよ。」


そう私は机に…


「ちょっ、うるさい!
バレちゃうでしょ!」


グイッと悠陽の腕を掴んで引き寄せる。



「おっま…っ、どんだけ力強いんだよ。いってぇな。」



「あ、ごめんごめん。これでもか弱い女子なのよ」



「語尾にハートつけた言い方すんじゃねーよ、気持ちわりぃ」



「ひど。可愛いでしょ!」



「うるせーよ。つかなにやってんの?」



「あ、そうそう。彼…」



「ん?」



私が視線の先に指を指すと、悠陽もそちらを見る。



「阿部夏樹を偵察してるの」



そういうと悠陽は不思議そうな顔をする。



「私…昔ね、好きな人がいたの。
でもその彼急にいなくなっちゃって。
だからずっと探してて…。ほら、彼夏樹って名前でしょ?
私の好きな人『なっちゃん』ってあだ名だったから、もしかしたらって…」



「ふーん…。」



少しの間沈黙が流れる。



「なるほどなぁ…わかった!俺も手伝ってやる!」



「……え?」


少し考えた様子の悠陽が、衝撃的な発言をするもんだから

言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。




「お前の好きな人、一緒に探してやるよ!」



「あ…ありがとう」