それから数日夏樹くんは、その美貌で学校の有名人になった。
告白されている回数も多いみたいで、1日1回は呼び出されているみたい。
私は少しの期待を持って夏樹くんと接していた。
おかげで、わりと仲良くなれたと思う。
でも、仲良くなるにつれて
彼がなっちゃんなのかどうか、どうしても気になってしまう。
…涼子に話そう!
そうしよう!
「なっちゃんって懐かしいね。
てか、もし阿部くんがなっちゃんだったらどうするわけ?」
「どうするって……わかんない」
「なんで阿部くんがなっちゃんだと思うわけよ?」
「雰囲気かな…
なんかふわっとした感じが似てるっていうか…」
なっちゃんはほんとにいつもふわふわしてて、掴んだら散ってしまいそうなくらい可憐な子だった。
「ほんとにそのなっちゃんだと思うなら、しっかり調べなさいよ。
いつまでも想い出にしがみついてると、未来ないよ?」
「わかってる…わかってるけど…。
そう簡単じゃないんだよ…?
だってもう10年も会ってないんだし、きっと向こうは忘れてるよ」
「忘れてたとしても、いつまでも隣でなっちゃんなっちゃん言われたら、鬱になるわ!」
酷い…酷すぎるよ、涼子…。
「でも、調べ方なんてわかんないし…」
「後向きはだめっ!
まずは…偵察ね!」
て、偵察?