***




そんなこんなで小さな嘘をつかれ続けて、夜になった。


少しずつではあるが、嘘のつき方がうまくなっている。

やっぱり何でも積み重ねていくことって大切なんだなーと、一人納得していた。




そして、夕飯の時間になり、彼女はいつものようにテーブルにご飯を並べてくれている。

俺は、ニュース番組を見ながら、ボーッとしていた。



今朝報道されていた殺人事件のことについて、またニュースキャスターが語っている。





「──それにしても、ひどい事件だよな。」





俺がそう言うと、彼女は皿を置いてテレビを見る。




「子どもが誘拐されて殺されてた事件のこと?」



「そうそう。何でそんなことが出来るのか分かんねぇわ。」



「……そうだよね。」



彼女も悲しみに暮れているのか、表情は暗い。




「──ねぇ。」




彼女は、ボソッと呟く。








「その子を殺したの………私なの。」