貴方の隣に私は必要ですか

.




「でぇさぁ〜?私に奢らせたんだよ!?その彼氏ぃ
酷くなぁい?ねー!癒玖ぅ?」


「それは酷い
俺なら絶対奢らせないよ〜?」



「あっはは
もう、癒玖に乗り換えちゃおっかなー!」





廊下での会話。


何気ない。高校生の会話に感じるかもしれない。



けれど


女には彼氏が
男には彼女がいる。




ましてや
男の彼女は

私だ。



彼の名前は河瀬癒玖[カワセ イク]


私の彼氏である
……はずの人物。





イケメンで
運動出来る。頭も良し
生徒会長で?
オマケには来るもの拒まず?

そんな獲物を

肉食女子が見逃す筈もなくて



毎日、違う女の人と廊下であぁやって話してる。





最初は、そりゃ…
傷ついた。

別れようともした。


けど



彼が認めなかった





癒玖は

自分に来るものは拒まない


けれど
すぐにサヨナラもする。


要は飽き性




けれど


私には飽きないそうで




手放したくないとか






自分は散々浮気して

彼女には自由を与えない。




我儘め……





……癒玖と付き合いたいって子は沢山いるし
私より可愛い子なんか山ほど居る

なのに……




癒玖は、私が居なくても困らない。




ねぇ。癒玖。


貴方の隣に私は必要ですか
夕夏「相変わらず
嫌な彼氏だね。」



『夕夏…』




彼女は夕夏[ユカ]
私の友達。


私の気持ちを理解してくれる

数少ない人間。




『仕方ないよ
もうこれは治んないから』


夕夏「仕方なくは無いでしょ
なんで別れないのさ」


『なんでって
好きだからだよ』


夕夏「……はぁ
嘘つきめ!」




嘘ではないんだけど

私はあくまで


癒玖が好きだから
付き合ってるだけ。

好きで
そばに居たいから別れないだけ


ただ一つ


普通だったら
彼の一番で居たいと思うのかもしれないけれど


私はそうでなくていいと思ってる




癒玖みたいに

モテる人間を、独占しようって言うのは
無理があるから





癒玖「来幸。」


『あ、癒玖…何?』




そう言えば
まだ、私の名前言ってなかった

冬村来幸[フユムラ コユキ]です。





癒玖「今日一緒帰ろ?
部活休みだし、生徒会の仕事も昨日終わらせたから」



『今日は他の子と一緒に帰るんじゃないの?
水曜日だよ?』



癒玖「何言ってんの
彼女が一番に決まってる」





そう言って私の頭を撫でる、癒玖。

……嘘つきは癒玖の方だ


今日は水曜日
いつもなら、バスケ部のマネージャーと帰る曜日。



曜日で違うんだよ
一緒に帰る女の子が

私は月曜と金曜のみ



まぁ

7日の中2日あるだけ特別なんだろうけどね……

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