リビングに入りふと目に入ったのはテーブルの上の鍵だった。
あきらかに瑠依のものでは無い。
ハート型をモチーフにした女物のストラップが付いていて
私が持っているものとも違っている。


「なに?
あっ。それは姉貴のだよ。
最近よく泊まりに来るから作ったんだ。」

私が動かないのが気になったのか彼も鍵に気づいたようだ。
でもおかしいのはそれだけではない。
ソファに座れば足の隅に落ちているピンク色のピアス。

「これもお姉さんのもの?」

「えっ。あぁ。
そうだよ。」


彼と約3年間付き合ってきてお姉さんなんて聞いたことなんて一度もなかった。
お姉さんいたんだ。