「んまぁ、今週末大会だもんね〜。練習第一なのは仕方ないよね…」

「そうだね」

素っ気なく返し、私は移動教室の準備を進める。

正直郁斗くん関連の話題は好きじゃない。

だって…

「なにあの態度。ホントに郁斗先輩のこと好きなのかな?」

「あんなのが彼女とか郁斗先輩かわいそう」

ほらきた。

郁斗くんを好きなクラスメートは私のことをよく思ってない。

そりゃあそうだよね。

好きな人の彼女なんて、いい印象ではないだろう。

それが分かっていても、やっぱり、陰口を言われるのはなかなか気分が悪いものだ。

だから早くこの話題は終わらせたいんだけど。

なんとなく俯いたその時。


「涙!」