「まだこっちに来るには早すぎるからな。

しっかり生きて、色んな経験積んでこいよ。

それは、お前が死んだ後にたっぷり聞いてやるから。

俺が、退屈しないように、色んな事、教えろよ。」






ぼやけた視界は戻らない。

何が起きてるの?

涙が溜まっている訳でもなく、段々と和樹の姿が見えなくなる。





「待って、和樹!!」




「むりむり。お前、そろそろ目が覚めるんだろ。何か鈴の音がめちゃくちゃ聞こえるぞ。」




「嫌だ!!起きたくない!!お願い!ずっとこのまま……!!」




「いやー、世はクリスマスだな~。葵、起きてみろ。良いことあるぞ。うん。俺が保証する。」




「和樹!!いやっ……行かないでっ……!!」




「──葵。愛してるよ。」




「和樹!!私っ……私だって!!ずっと──」