「それにしても、そんな適当な格好して……今日ってクリスマスじゃねぇのかよ?」
和樹は、私のその格好を見ると呆れたように呟く。
私は、ハッとして自分の服を見る。
グレーのパーカーに、ジャージ。
何か、私の駄目さを物語っているかのような服装だ。
「かっ……和樹には関係ないでしょ!!」
「まあ、そう言われればそうなんだけどさ。もっとクリスマス楽しめば良いのに。一年に一回のイベントだぞ?」
「良いの!!どうせ一緒に過ごすような人もいないし!……それに、クリスマスは、元々日本のイベントじゃないんだから!!」
私が、そう叫ぶと和樹は耳を塞ぐ。
「はいはい。分かりましたよー。」
そして、呆れた様子を見せる。
私は、そんな和樹をキッと睨むと、べーっと舌を出す。
「……って、あれ?」
私は、和樹と話しながら妙な違和感を感じる。
「何だよ。落差が激しいな。まあ、葵は昔から変な奴だったけどな。」
「変な奴は余計だから!!」
そう言いながらも、私はうーん……と考え込む。
そして、和樹に尋ねる。
「──和樹って、三か月前に死んだんじゃないの……?」