心配をかけたのだと。
心配をしてくれているのだと、理解した時には私の頬を涙が伝う。



「え・・・、あ、も、申し訳ございません!出過ぎたことを・・・」




私の涙を見て、ジルさんは焦ったように言い訳をする。
私は首を横に振りながら涙を拭うけれど、その涙は止まることを知らない。



「ごめ・・・、違うの・・・。こんな風に、心配されるの、はじめてだから・・・」

「え・・・」




皆、口先だけの心配ばかり。
可哀想も、心配も聞き飽きるほど聞いた。

それでも。
こんなにも胸に響く心配の声を私は初めて聞いたの。




「この国の者は、皆ひな様を大切に想っております。それは、ひな様自身がここで懸命に生きてこられたからこそ。ひな様はもう、ひな様だけのお身体ではないのですよ」

「私だけの・・・?」

「ひな様が傷つけば、皆が傷つくという事です」




私はきっと幸せだった。
こんなにも想われて。
大切にされて。


だからきっと。
私も、護りたかったんだ。