サアァァァ………ッ……
爽やかな風が吹いて長い髪の毛が私の頬をくすぐる。
放課後の運動場ではサッカー部の元気な掛け声 、校内からは吹奏部が奏でる綺麗な音色が聞こえるいつもと変わらない毎日。
「こんな毎日も今日で最後か………。」
そう呟きながら屋上の柵へと向かう。
1歩2歩と屋上の柵へと距離が近づいていく。
柵までの道のりは長いようであっという間だった。
「痛…………ッ。」
柵の向こう側に行こうと脚を掛けた瞬間、頭に鋭い痛みが走る。
それを我慢して私は柵を何とか上がりきる。
下を見下ろす。何mあるだろうか??結構な高さだ。きっと落ちたら一溜りもない。
私は深呼吸をして右足を宙へと出す。
すると簡単にも身体が下へと急降下していくでは無いか。人間の最期って案外あっさりしてるんだ、そう思いながら落ちていく。
ドンッ
鈍い音が地面に響く。私はそこで意識を手放した。