でも、気付いたら可奈はいなくなってた。

転校。

どこかに行ってしまった。

私たち6人組の思い出とともに。




友達はいない。

何年たっても友達はできなかった。

"暗い"

"謎"

"関わらない方がいい"

当たり前だ。

親友との思い出さえ忘れてしまうような友達なんて、

誰も望んでいない。


ありがたいことに、勉強した内容は覚えていた。

中3になって、先生に面談で言われた。

「この成績なら、どこの高校にでも入れる。
本当に桜丘でいいのか?」と。

だって、しょうがないじゃない。

片親しかいなくなってたんだもん、いつのまにか。