「あの、、、どちらさまでしょうか、、、?」

びっくりして振り返ると。

「、、、可奈、、、。」

買い物袋を提げた可奈がいた。

可奈もびっくりした顔になる。

「し、、、お、り、、?」

「うん。私。詩織だよ。久しぶり。」


笑顔、引きつっちゃったかも、、、



可奈は笑顔にならない。

どんどん冷たい表情になっていく。

「今さら、何の用?」

硬い声。

「どんなに待っても手紙もこないし電話もこない。

催促なんかしたくなかった。

だから、待ってたのに。」

うつむく私。

地面がとても遠く感じる。

「ああ、そうだったんだって諦めた。

思い入れてたのは私だけで。

詩織は私なんかどうでもよかったんだって。

それならこっちだって切り替えなきゃって。

無理やり言い聞かせてたのに。


なのに。

何なのよ、今さら。」

可奈が背中を向けて歩き出す。

「帰って。迷惑だから。」