はっと目が覚めた。

夢。

可奈がいた。

記憶にない可奈のセーラー服姿。

可奈は泣いてた、、、?

あの泣き顔も記憶にない。

いつのこと、、、?

なんで泣いてたの、、、?



どのくらいぼーっとしてたんだろう。

お母さんの声が聞こえる。

「詩織ー、遅れるよ。」

あ、そうだ。学校。




その日もいつものように登校した。

休み時間、読み終わった本を閉じると

恵美香たちの会話が聞こえてきた。

「昨日のMusic Place見た?」

あ、私見たやつだ。

「うん! ケン君かっこよかったね!」

アイドルには興味ない。

「そういえばさ、」愛が言った。

「あのNever say ナントカって可奈が歌ってたやつ?」

恵美香が応える。

「可奈、、、って、、、ああ。あの子ね。そういえばそうかも。」

祥子もうなずく。

「なんかしょっちゅう口ずさんでたよね。」

「転校前は特に。」と美希。

「そんなのどーでもいいけど、」恵美香が言った。

「ケン君よりタカシ君の方が絶対かっこいいから!」