君だけは

君だけは

きっと一生、私の中から消える事は無いんだよね。




『…は?なに、ここ…。』

そこは東京駅。
日本で1番、利用者の多い駅。
ニュースで観た事はあった。行き交う人々の光景を。
流れ続けるアナウンスの声を。

だけどいざ、自分がその場所に立つと身震いをする。

『とりあえず横浜へ…。』

キャリーケースを持つ右手が震える。

自分のいた地元もそこそこの都会。だったとは思う。
舐めてたな、本当の都会を。

ちょっと背伸びをして履いた、慣れないヒールを鳴らしながら。
自分の人生の新しい舞台の地へと向かった。