今日は入学式。
ということは、、、
桜と一緒に登校できる。
俺は眠りながらそんなことを考えていた。
桜とは小さい頃からの幼なじみ。
まぁ、腐れ縁ってところかな。
そして俺は彼女がいない。
自慢ではないけどだいたい毎日告白される。
じゃあなんで彼女がいないかって?
それは小さい時からずっと桜一筋だから。
でも桜はそれに気づいていない。
気付かれても困るんだけどね。
桜は鈍感だから気付かないだろうけど。笑
気持ちを伝えようと思ったけど伝えない。
桜が思い出しちゃうから。
あのことを。桜の記憶から消えた、悲しい、残酷な出来事を、、、
バタバタバタバタ・・・・・
うるせぇなぁ、、、
「和樹ー!送れちゃうから先行くよー!」
・・・・
ん?
先行く?
今何時だ?
・・・
・・・
・・・
時計を確認するともう8時を回りそうだった。
!?!?
やべぇ、遅刻する!!!
急いで着替えて学校に向かった。
すると前に見覚えのある二人がしゃがみこんでいた。
「おい、どうしたんだよ。」
俺は二人に声をかけた。
「「あ、和樹」」
そうそれは俺の親友、智希と先に行ってたはずの桜だった。
すると智希が
「和樹、この子と知り合い?」
智希が珍しく聞いてきた。
俺はこの時から何か感じていたのかもしれない。
この時、俺が智希を止めていればあんなことにはならなかったのか、
「こいつ?こいつは幼なじみの腐れ縁。」
俺は平然としながら答えた。
でもほんとうは腐れ縁だなんて思ってない。
だけど素直になれないんだ、俺は。
「ちょっと~腐れ縁って何よ~」
隣から桜が反論してきた。
なんでこいつこんなに可愛いんだよ。
こんな顔誰にも見せたくねぇ、、、
そう思ってふと智希を見た。
すると智希の顔はタコのように真っ赤だった。
まさかこいつ、、、
桜に惚れた??
あんなに女に興味がなかった智希が、、
よりによってなんで、、、なんで桜なんだよ、、、
そう思ったが顔には出さないでおいた。
「そっか、よろしくね?(ニコ)
ええと、、、お名前は? 」
智希がそう聞くと、
「ひ、姫宮、さ、桜です、、、//」
桜は顔を赤くしながら言葉を詰まらせて答えた。
桜?まさか桜も、、、
この時にお互いが徐々に惹かれあってることを感じていたのは俺だけだった。
「じゃあ、よろしくね。桜ちゃん。
俺は和樹と同じクラスなんだ。じゃあ和樹、先に行ってるね。」
そう言って智希は先に行ってしまった。
「なんだあいつ?」
「わたしがね急いでたらぶつかっちゃったんだ。」
ぶつかったぐらいであそこまで親しくすんのか?
「お前はほんとうにドジだなぁ。」
と桜の頭をくしゃくしゃにした。
「ちょっと和樹~!なにすんのよ~」
そう言いながら俺を追いかけてきた。
もう少し、もう少しだけこのままでいさせてくれ、、、
俺はそう思っていた。
でも俺がそう思っているときに
桜が智希を見つめていることに気付かなかった。