私は紅茶が好きで、コーヒーが苦手。
キミはコーヒーが好きで、紅茶が苦手。
だからいつもテーブルには紅茶とコーヒーがおそろいのマグカップに入って並べられていた。

私は白か黒だと白が好き。
キミは白か黒だと黒が好き。
だから部屋はオセロみたい。

私は暑いのが苦手。
キミは寒いのが苦手。

私とキミは真逆の存在。

どうしてキミと出会ったんだろう。
どうしてキミを好きになったんだろう。
どうしてキミと愛し合ったんだろう。
どうしてキミと……離れ離れになったんだろう。
どこで私とキミの気持ちは掛け違ってしまったんだろう。
でもキミは今でも笑ってる。薄っぺらい偽物の笑顔を貼り付けて私の目の前で笑ってる。
そしてキミは待っている。私が「さよなら」と別れを切り出すのを──。