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「何だよ、その間抜け面は」

「うるっさいなー!幸せを噛み締めてんの!」

「フラれた俺を差し置いてニヤニヤすんじゃねーよ」

「っ!」

ビクッとして、私は反射的に龍の顔を見上げた。

屋上の柵に寄りかかる龍は、真っ青な空を心地良さそうに見上げている。

「……ごめん」

すると意外だというように眉をあげて、龍が私の顔を覗き込んだ。

「お?反省してんのかよ」

「……」

そうだ、龍は……センパイ彼女に終わりにしたいって言われていたのに、私ったら……。

自分が嫌になってシュンと俯くと、龍が私の頭をポンポンと叩いた。

「冗談だっつーの!俺は平気」

やけに明るい声にもう一度見上げると、龍は遠くを見ていた。

でもその綺麗な横顔は、平気に見えなかった。

…きっと、苦しいんだ。

だって、私も苦しかったもの。

好きな人と上手くいかなくなって平気なんてあり得ないもの。

「さー、昼飯でも食うか」