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明日斗…明日斗はもう来てるかな。
私はつま先で立つと、体育館の中をグルリと見回した。
全校生徒なだけに…よく分からない。
でも、明日斗はスタイルがよくて凄く目立つから入ってきたら多分すぐに分かる。
明日斗は7組。私の列よりも右に6列目だ。
それから、出席番号順だから…。
そう思って再び背伸びをしたけど、明日斗の姿は見えなかった。
もしかしたら、サボりかもしれない。
それとも遅刻とか。
そうこうしているうちに本鈴が鳴り、先生が入り口を閉めてしまった。
…明日斗……来なかった……。
私は明日斗を探すのを諦めると、自分の爪先に視線を落とした。
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「龍!」
二校時目の休み時間、弾かれたように私は教室の前方を見上げた。
だって、明日斗の声がしたんだもの。
明日斗だ、やっぱり!
明日斗の声に、私の何席か斜め前の龍が顔をあげる。
「どうした?」
「数学の教科書貸して。次なんだ」