「さあって、そんな話しないの?!友達じゃん」

「知らね」

「役立たず!」

「んだとぉ?!」

またしても龍が私に手を伸ばす。

「何度も捕まりませんよーだ!」

それをかわして鼻にシワを寄せると、私は龍にイーッとしてやった。

「ブッスー!」

「龍嫌い!」

その時だった。

「龍、まだいたのかよ」

ビクッとした。

だって明日斗だったんだもの。

「明日斗?どうした?」

龍が、出入口の戸に寄りかかっている明日斗に声をかけると、明日斗はダルそうに返事をした。

「担任に呼び出し食らった。中間マジヤベェかも。んなことよりさ、」

言いながら明日斗が私をジッと見つめた。

「仲いーじゃん、お前ら」

「そ、んな、」

嫌だ、誤解されたくない。

私は明日斗が好きなのに。

慌てて弁解しようとした私を、明日斗は避けるような仕草をした。

それから入り口から身を起こして続ける。

「まあ、どーでもいーけどな。じゃあな、龍」